映画に

見たものについての覚書 印象をピンで留め置くように

真夜中からとびうつれ(2011/日本)横浜聡子

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「エーガ」「エーガ」

 

カタカタとフィルムが回される音、ギコギコとハンドルが回される音、ちゃりちゃりとコインが落とされる音、チリンチリンと鐘が鳴らされる音、パンパンと銃を撃つ音、パタパタと靴で歩く音、サッサッと地面が蹴られる音。

 

ふきだしいっさいなくコマはオノマトペでいっぱいの短編漫画、ひたすら擬音と擬声のようなセリフだけで綴られる掌編小説、のような「エーガ」。

 

青いワンピース、なけなしの一張羅、帽子、ハンドベル。ボロけたしかし大きな靴。

 

まさぐるまなこの男ども。少女のまなじりのきれのよさ。

 

画面をなめあげて焼き尽くす火、残骸とかすキネマトスコープ(?)。開かれる扉、打ち鳴らされる鐘、そして鐘、鐘、鐘の音。

叙情透き通り、明るくほのめく、のろまな亀、まなじりのきれのよさ、青いワンピース。彼女がそこに立っている。