読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

映画に

見たものについての覚書 印象をピンで留め置くように

彼女の消えた浜辺(2009/イラン)アスガー・ファルディ

アジア映画

f:id:menmoku:20170208100331j:image

 

子供が海に溺れて、それについで「彼女」も消えてしまうという展開に至るまでは、どうも建物の内での人物達の動きなどを捉える画面の位置が、奇妙に浮ついているように見えていたのが不思議だった。ピントも、あれだけの人物達をいっときに捉えようとした画面であるらしいのに、中央の人物に半端に絞られていたりする。この画面の中ではこの人物なりこの事物を映す、という意図が曖昧なまま処理されているような感覚。それならたんに素人臭い所謂“ドキュメンタリータッチ”というものなのかも知れないが、そう言い切ってしまうにはそのつかずはなれずの半端な距離感が時に映画としての画面への露呈性を感じさせもするのだった。

だが、それもこれも「彼女」が消えてしまうまでだったとも感ずる。子供の危機を急報されて助けるために男達が駆け出していくショットからは、もうありがちな手持ちキャメラの運動にしか見えなくなった。話自体も些末な不明事項の重積で成立しているだけのものなので、殊更少しずつ事実が開示されていっても、話の意義を「読み取る」くらいのことしか出来ない。

やはり映画だからなのか、出演している女優さん方皆オリエンタルな美人だが、社会的に求められる身持のかたさあってこそのその美貌のニュアンスという感じはある。